委託事業 | 第2期

プロジェクトリーダー挨拶

先進・革新蓄電池材料評価開発(第2期)プロジェクトの狙いは、現状自動車用電池として多く適用されている液系リチウムイオン電池の性能向上が多少行き詰る中、次世代電池として最も有望と思われる硫化物全固体リチウムイオン電池を対象にして、世界に一歩先んじて、材料、素材、電池設計、製造プロセス、装置などのトータルな技術蓄積を図る事と位置付けています。

本プロジェクトでは国内の自動車メーカー(3社)・2輪車メーカー(1社)・蓄電池・材料・プロセスメーカー(19社)が1か所に集まり、研究開発を推進する集中研と共に大学・公的研究機関(14機関、23研究室)が同時に参画するというオールジャパンとしての産学連携体制で推進しています。 大学などの研究機関には、全固体LIBの技術課題を裏打ちする現象やメカニズム解明など基礎に立ち返ったアプローチを平行して実施して頂き、集中研での効率的な研究開発促進を図ると共に、国内での全固体LIBの基盤技術の底上げを図る事も同時に期待されています。

このプロジェクトにより、次世代電池の実用化への礎を築くと同時に、日本が世界で優位に立てる基盤技術を確保していく所存です。大きな目標に向かって、微力ながら邁進していきたいと考えていますので、皆さまの絶大なるご支援をお願い致します。

石黒 恭生

常務理事 プロジェクトリーダー石黒 恭生

プロフィール

英語名称とシンボルマークについて

英語名称

Development of Fundamental technologies for All Solid State Battery applied to Electric Vehicles

シンボルマーク

SOLID-EV ©2019 LIBTEC (商標登録第6155398号)

名前の由来

全固体LIBを搭載した、確かなパフォーマンスを持ったEVを開発するというプロジェクトの趣旨を反映させた名称としています。

イメージ

先頭のモチーフの雷型はSOLID の「S」、周りを囲う円はEV の「e」をイメージした形にしながら、エネルギーが循環し先に進む躍動感、文字部分の「i」や「-」に傾斜をつけることでイメージにしました。

硫化物型全固体電池の位置づけ

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)においては、第 1 世代全固体 LIB は、研究開発が先行しているリチウムイオン伝導性の硫化物系固体電解質を適用し、2020 年代後半より車載用蓄電池の市場において主流となると想定されています。次世代全固体 LIB はさらに高リチウムイオン伝導性の硫化物系固体電解質又は化学的安定性の高い酸化物系固体電解質を適用し、2030 年代前半より車載用蓄電池の市場において主流となると想定されています。

SOLiD-EV電池開発の進め方

第1世代セル
(中間目標)全固体LIBの電池化を単層電池で実証
(最終1目標)セルの連続プロセス開発・積層実証
次世代セル
(最終2目標)高エネルギー密度化の実証

本プロジェクトでは第1世代セルと次世代セルの開発を行います。第1世代セルについては、現行材料での電池性能向上及び、連続プロセス化に向けた開発を行い、450Wh/L セルの連続プロセス、積層化の実証を最終的に目指します。次世代セルについては、大学を中心とするサテライト研究機関と連携し、材料の高容量化により高エネルギー密度電池の実証を目指します。これらと並行してセルレベルやパック化・車両に搭載した際のシミュレーション技術の確立も同時に行います。

全固体電池の特徴

従来のリチウムイオン電池(LIB)では、Li+イオンと陰イオン(例:PF6-イオン)が同時に電解液中を泳動する必要があります。充放電時には、 Li+イオンと陰イオンの移動の和が電流として計測され、全電流に占めるLi+イオン伝導の割合、すなわち輸率は約0.3~0.4となります。一方で全固体電池は、流れるイオンはLi+イオンのみなので、輸率は約1となり高入出力特性が期待されます。

全固体電池のポテンシャル

全固体電池は、実験室レベルでは従来の液系LIBを凌駕する結果が得られ、高いポテンシャルを有しています。

エネルギー密度

液系LIBで見られる電解液の分解がないことから、全固体電池では高電圧化により高エネルギー密度が期待できます。

入出力性能

実験室レベルで25℃、60C級のポテンシャルを持っています。

寿命

実験室レベルで高温で高寿命ということが示されています。

安全性

液系LIBでは有機電解液が約80℃以上であり分解しますが、全固体電池では硫化物系固体電解質の分解温度が約200℃以上なので、高い安全性が期待されます。

本プロジェクトでは、上記の性能を生かし、実用化を見据えた全固体電池の研究開発を進めています。