委託事業 | 第2期 ※2023年3月31日終了
次期NEDOプロジェクト「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術開発」は近日公開予定です。
英語名称とシンボルマークについて
英語名称
Development of Fundamental technologies for All Solid State Battery applied to Electric Vehicles
シンボルマーク
©2019 LIBTEC (商標登録第6155398号)
名前の由来
全固体LIBを搭載した、確かなパフォーマンスを持ったEVを開発するというプロジェクトの趣旨を反映させた名称としています。
イメージ
先頭のモチーフの雷型はSOLID の「S」、周りを囲う円はEV の「e」をイメージした形にしながら、エネルギーが循環し先に進む躍動感、文字部分の「i」や「-」に傾斜をつけることでイメージにしました。
硫化物型全固体電池の位置づけ
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)においては、第 1 世代全固体 LIB は、研究開発が先行しているリチウムイオン伝導性の硫化物系固体電解質を適用し、2020 年代後半より車載用蓄電池の市場において主流となると想定されています。次世代全固体 LIB はさらに高リチウムイオン伝導性の硫化物系固体電解質又は化学的安定性の高い酸化物系固体電解質を適用し、2030 年代前半より車載用蓄電池の市場において主流となると想定されています。
SOLiD-EV電池開発の進め方
- 第1世代セル
- (中間目標)全固体LIBの電池化を単層電池で実証
(最終1目標)セルの連続プロセス開発・積層実証 - 次世代セル
- (最終2目標)高エネルギー密度化の実証
本プロジェクトでは第1世代セルと次世代セルの開発を行います。第1世代セルについては、現行材料での電池性能向上及び、連続プロセス化に向けた開発を行い、450Wh/L セルの連続プロセス、積層化の実証を最終的に目指します。次世代セルについては、大学を中心とするサテライト研究機関と連携し、材料の高容量化により高エネルギー密度電池の実証を目指します。これらと並行してセルレベルやパック化・車両に搭載した際のシミュレーション技術の確立も同時に行います。
全固体電池の特徴
従来のリチウムイオン電池(LIB)では、Li+イオンと陰イオン(例:PF6-イオン)が同時に電解液中を泳動する必要があります。充放電時には、 Li+イオンと陰イオンの移動の和が電流として計測され、全電流に占めるLi+イオン伝導の割合、すなわち輸率は約0.3~0.4となります。一方で全固体電池は、流れるイオンはLi+イオンのみなので、輸率は約1となり高入出力特性が期待されます。
全固体電池のポテンシャル
全固体電池は、実験室レベルでは従来の液系LIBを凌駕する結果が得られ、高いポテンシャルを有しています。
エネルギー密度
液系LIBで見られる電解液の分解がないことから、全固体電池では高電圧化により高エネルギー密度が期待できます。
入出力性能
実験室レベルで25℃、60C級のポテンシャルを持っています。
寿命
実験室レベルで高温で高寿命ということが示されています。
安全性
液系LIBでは有機電解液が約80℃以上であり分解しますが、全固体電池では硫化物系固体電解質の分解温度が約200℃以上なので、高い安全性が期待されます。
本プロジェクトでは、上記の性能を生かし、実用化を見据えた全固体電池の研究開発を進めています。